すみかおりmusica Diary♪

  空より高く 海より深く

音でコミュニケーション♪

言葉を使わない方とのマンツーマン音楽療法
口から声として「言葉」が出ないだけで、もしかして心の中では思いを語っているのかもしれません。
目を合わさず受け答えはないけれど、私は必ず挨拶程度に話しかけています。
「おはよう!今朝は寒かったね。」
「大雨でどしゃぶりだったね。ぬれなかった?」
簡単なことですが、質問したりもします。

ひとり会話している私の前を突っ走って彼女はまっすぐ楽器コーナーへ。
バチをつかんだら、タイコをドンドーーン!ダダダーーン!!
そしてキーボードの鍵盤をなぞったり、鈴や鳴子やベルなど、部屋にある楽器をひと通り触ってから、彼女はようやく席に着きます。

この彼女の音楽の時間が始まる時の定例の「儀式」。ある時は鈴を2回の時もあるし、5回の時もあるし、10回の時もある。単にその日の気分で回数の多い少ないはあるけれど、いつもと同じように見える行動が、いつもと何かが異なるのか?表情を観察しながら心情を探っています。

お気に入りの楽器に集中してる時はいつも穏やかなのに、乱雑にジャカジャカ鳴らし続けてイライラしている時もある〜
顔の表情があまり変わらなくても、体の動きから発する「音」はとても正直。心の中の喜びも、訴えも、時には叫びも、彼女の内面がストレートに音に表れるのです。

今日の彼女はなんだか少し気持ちが落ち着かない様子。
シンバルをジャーン!と鳴らすと、驚いて顔全体を覆う彼女。
逆効果だったかな…と見ていると、大きな音振動が伝わったのか、彼女のバチが前に飛び出しました!そして更に私と交互に音のキャッチボールしてコミュニケーション成立。

おそるおそる伸びる手。ゆっくり動く手首。私に心の内を話してくれているかのようでした。

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